調布のペットクリニックを経営する藤野さんのお話


Posted on 2015-6-12



今回は、西調布にある動物病院「ペットヴィレッジ調布」の藤野さんに お話を伺いました。ペットが喜ぶフードやグッズの用意も豊富にある「ペットのトータルサポート」をする場所です。
愛するペットと出来るだけ長くいお付き合いをしてほしいという思いや、多店舗展開される社長として、経営視点でのお話もお聞きすることができました。

ー今日はよろしくお願いします。早速ですがこのお店はオープンしてどのくらいになりますか。
 
藤野さん:元々このお店は、多摩川の方に日曜大工センターっていうホームセンターに入ってたんですよ。5年程前に、西調布にきました。

ーここで受けられるサービスについて教えてください。
 
藤野さん:はい。「ペットと飼い主様の幸せな生活のトータルサポート」というのがコンセプトになっています。日用品のドッグフードとか、トイレのシーツなどを購入できるということの他にも、月に一回シャンプーやカットが出来るのと、あとは旅行の際などのお泊まり(こちらでお預かりする)とか。それと動物病院。その4つが柱になります。
「グッズの販売」と「トリミングサービス」と「ペットホテル」と「動物病院」ですね。
 
ーそのトータルサポートがこの場所でできるんですね。
 
藤野さん:はい。そこまでできて、「トータルサポート」です。
 
ーやっぱりご近所さんのご利用が多いですか?
 
藤野さん:そうですね。ここは駐車場が結構広いので、府中とか三鷹とか狛江からも来ますけど、基本的には調布の近隣の方が多いですね。
 
ー地域に根ざしていますね。ペットヴィレッジさんは、他にも色々な場所にあるとのことですね。

藤野さん:ありますあります。病院がある施設やそうではない施設も含め、色んな場所に展開しています。



ーペットの「トータルサポート」ができる場所って私はあまり聞かないのですが、藤野さんのお店の特徴ともいえるのでしょうか。

藤野さん:そうですね。他の特徴としては僕は"多摩地区"という規模で展開しています。例えば三鷹の方でも、病院を探している方が来れる距離感。経営としてはドミナント展開(※1)をしてるって感じでやってますね。

ー藤野さん自身は医師としての立場でもいらっしゃるんですか?

藤野さん:私としては、社長さんっていう立場…だけでいきたいというのが本音かもしれません(笑)
勿論医師ですので診察もしてますよ。

ー1日どのくらいの利用があるのですか?

藤野さん:部門によって違うんですけど、病院のみ土日だけでいうと、40〜50件は来ますね。トリミングだけでいうと、20〜30件の間くらい。病院の忙しい時期になると、それこそ一日に100人とか来る。4月から忙しくなるので。そういう時もありますね。

ー病院の利用者数の方が多いんですね。トリミングの方が多いのかなと思ってました。

藤野さん:ここは病院の方が多いかな。他の店だと、トリミングの方が多い場合もありますけどね。それはケースバイケース。調布は病院かな。

ーそもそも動物を扱う仕事に就くきっかけはなんですか?ペットを飼ってたとか?

藤野さん:子どもの頃からペットが多くいる家で育ちました。猫を10頭飼ってたりね。そういうのをきっかけとして獣医になろうと思って大学に6年間行くんです。そして卒業後3、4年修行して開業しました。

※1 ドミナント戦略:チェーンストアが地域を絞って集中的に出店する経営戦略。同一商圏内における市場占有率の向上(独占状態)を目指す。ドミナント出店、エリア・ドミナンス戦略とも言う。

ペットの病気について
 
ー季節はそろそろ夏ですが、夏にかけて時期に流行りやすい病気とか、その病気の予防法等を教えていただきたいのですが。

藤野さん:夏になると皮膚病が多くなったりするけど、病気っていうのはなる時はいつでもなる。また年を取ってくると時期関係なく病気にかかりやすくものなので、特にって言うのはないかな。やっぱりいつでも用心は必要ですね。


 
ー病気に対して対策とかありますか?
 
藤野さん:難しいけど、「よく見てあげる」っていうことしかないですね。いつもと違うのに気付いてあげる事。
やっぱどっかが違います。でも動物は言葉はしゃべれない。症状が出てるって時は結構病気が進んでることが多いんです。だからそれを見逃さないように、最近ちょっと様子がおかしいとか、食欲がいつもより無いとか、そういう小さな変化を見逃すと、結構進行しちゃってることはよくある。
 
ーその気付いた段階で、早めに手を打つことが大切なんですね。

藤野さん:そうだね、対応が早い分、病気が治る可能性は高くなる。
厳しいけれど治らないのもあるので、全部が全部とは言わないけど。とにかく治そうと思えば早期発見、早期治療が重要です。

病院の選び方の話
 
ー僕は以前にダックスフンドを飼ってたんですが、後ろの足が動かなくなってしまって。
 
藤野さん:あ〜、ヘルニアだ。
 
ーそれって多いんですか?ダックスフンドみたいに胴長短足の犬には。
 
藤野さん:割合としては多いけど、手術すれば治る子もいる。でもやっぱり早めに手術しないと治る可能性が下がっていく。例えば、ヘルニアだと症状が出てから長くても一週間以内だね。前兆があるはずなのでそこで気付いて早めの措置を行えば、動かなくなる事はなかったかもしれないですよ。
 
ー全然気付かなかったです。。本当にそうなっちゃった時は全く立ち上がれなかったから。
 
藤野さん:それは病院行ったの?
 
ー行きました。僕も幼い時の話なのでハッキリと覚えてないんですが、手術はしなかったですね。すでに手遅れだったのかもしれないですね。
 
藤野さん:ヘルニア程度の手術になると、手術が出来る先生も限られてきます。どこの病院も全く同じ処置ができるわけではない。そして手術が上手い下手あるのも事実です。対応方法も全然違うしね。因にそれは、結構前の話?



ーそうですね。十年以上前です。
 
藤野さん:となると町の医者でヘルニアの手術ができる医者は、なかなかいなかったかもしれないね...。

ーそうなんですね。現在は手術できる先生の数は増えてるんですか?

藤野さん:今は、町医者でも若い先生の中にはヘルニアの手術をできる先生もいます。ご年配の先生は大きな手術は一人だとできない事もあると思います。例えばそこから大学病院紹介してもらうなど、処置が出来ないで終わってしまう所もあることは事実です。それは良し悪しではなく、要は病院によって向き不向きがあると言う事です。それはもう病院に行って話してみないとわからない。うちはできますよ!
 
ーここはどういった症状まで受入れているんですか?

藤野さん:少し伝え方が難しいですが、難しい手術も対応しています。避妊去勢からヘルニアもね。大学病院レベルまでは行かなくても"町医者+α"できるってイメージでしょうか。2次診療っていうのが大学病院とかの診療だとしたら、町医者が1次診療にあたります。ここでは1.5次診療までは可能。大学に回さなくてもある程度は出来るように用意はしてます。もちろん出来ない手術はありますが。
 
ーペットの異変に対してしっかりとした診断をくだせる先生が重要だと思います。例えば藤野さんが町医者としてここにいてくれるのは、近隣の方に取っては心強い事だと思います。
 
藤野さん:そう思ってくれてるといいね。
 
ーここら辺一帯は買い物もできますしね笑
 
藤野さん:そうそう、スーパーもあるし本屋もあるし、焼き肉も食べれるし笑


ペットビレッジ動物病院 調布多摩川本院は、西調布駅最寄りの「キッチンコート」が入る敷地内にあります。

ー動物保護の活動をされていらっしゃると聞きました。
 
藤野さん:うん。ペット関連の仕事をしてる方達で殺処分を減らそうというグループに所属しています。「シンデレラプロジェクト」っていう団体です。

ー殺処分っていうと、瀕死の状態の動物をってことですか?
 
藤野さん:いや、捨てられた子です。結局保健所に捨てられた子とか迷子で保護された子って、保護されて基本的に一週間程度で飼い主(または新しい飼い主)が見つからなかったら殺処分なんですよ。

ーそれだけしか期間がないんですか!?

藤野さん:そういう子の保護をして、新しい飼い主さんを見つけるという取り組みです。一般の方が保護をしてることが結構あるんだけど、そうではなくて、ペットの仕事に就いてる人が運営するっていうのがこの団体の特徴。ボランティアだと途中で行き詰まる事が多いのも事実。この団体で行うのは有償の保護なんですね。最終的には啓蒙活動とか里親の募集の活動とかでやっていきたいという取り組みです。僕は相談を受ける役として参加しています。


シンデレラプロジェクト

ーその殺処分対策っていうのは、日本はまだ遅れてると思いますか?
 
藤野さん:まず殺処分事体は多分無くならないと思っています。例えばアメリカって、保護とか犬とかの扱いが進んでいると言われてる。あっちはペットショップそのものが無い。代わりにブリーダーから買うというシステムです。だから進んでいると言われる。何が言いたいのかというと、要は「殺処分を減らす」という、その場しのぎの対応をするよりは、「売り方を変える」という、"仕組みそのものを変える"事に取り組まないと、いつまでたってもこのままだという事です。
日本の場合、例えば収入が少ない人にも販売しちゃう。でも結局無理が生じてそこら辺に捨ててしまうという事が現実にある。そういう状況があっても、簡単に販売をする事自体は止められないよね。だからちゃんと保護をしてくれる人を探す為に「シンデレラプロジェクト」に参加してるんです。

ー捨てられたペットを保護する活動、共感します。捨ててしまうペットを減らす事はできないんですかね...そもそもペットを捨ててしまう理由って、どういう事が多いんですか?
 
藤野さん:うーん、もちろん人それぞれだけど、どうしても面倒が見れなくなってしまうというケースが一般論。例えば高齢の方で、自分が老人ホームに入るとしたら犬はどうするとかね。
でも一方「理想と違う」ということで捨ててしまうケースも多い。お金もかかるしそれなりに苦労もあるから。

ー最後まで面倒みる責任感の薄さ、ですかね。
 
藤野さん:そうだね。確かにそうなんだけど、育てる大変さを知る機会がない、という事に原因があるようにも思う。特に若い子はその辺考えるのは難しいことだよね。鳴いてて可愛そうだからって言って家に持って帰るけど飼えない。だから警察に渡しちゃって、その後は保健所行き。



ー私も幼稚園に行く途中で、猫拾っちゃったことあります。そのまま幼稚園に持って行ったら先生が引き取ってくれて。
 
藤野さん:そうなんだ。それは良いケースだね。
でも実は僕も同じ。だから子どもが拾うのはしょうがないと思うよ。悪い事ではない。子どもは後先考える事できないしね。壁にぶつかる中で、大変な事や解決しなくては行けない事に気付いてくれればいい。そういうところに触れる機会がないからね。納得できるのかできないかは、そういう経験の中にあると思う。全然いいんだよ。僕が拾ってきた猫も結局10匹になったから(笑)
  
ー最後に、藤野さんは調布でペットを飼うにあたって、今後どういう環境になったら良いという理想はありますか?

藤野さん:やっぱり僕の立場としては「ペットを飼いやすくしたい」っていうのはあって。
でも調布って、ペットに関する活動があまり積極的ではないと感じています。ペットを飼う側の情報共有は出来るけど、ペットを飼う魅力を、どうまだ飼っていない人にお伝えするかという所を考えてます。情報を発信する為に、調布FMでラジオ番組を持っています。
他にもペットに関する色んな情報をまとめてくれる方がいらっしゃれば心強いですね。
 
ー今回のお話を通じて、この場所みたいに、近隣の方に対して親身になってくれる場所の存在の大きさを感じました。どうもありがとうございました!


(記事 : 田邊 真 / 写真 : 薩川 良弥)

---------

ペットビレッジ動物病院

 




Copyright@ patchwork chofu